Ⅲ. Green Leadership

環境課題への戦略的対応
私たちの社会と事業は、水、土壌、森林、海洋資源など、自然の恵みに支えられています。
しかし、近年の気候変動による災害の激甚化や自然環境の劣化は、人々の暮らしや企業活動に大きな影響を及ぼしています。
私たちが掲げるGreen Leadershipとは、気候変動と自然の回復を別々の課題としてではなく、相互に関係する一つの課題として捉え、金融の力を通じて社会全体の移行を後押しする姿勢です。
特に日本において、私たちはアセットオーナーとしての資本力と影響力、国際的なルールづくりへの関与、サステナブル投融資で培ってきた知見を活かし、投融資先企業との対話やトランジション・ファイナンス、インパクト投融資などを通じて、気候変動や自然への取組みを後押しします。
また、ビジネスを展開する各地域の課題に応じた環境保全活動を通じ持続可能な環境と社会の実現に貢献していきます。
当社グループは現在、財務・非財務両面からの経営の高度化に注力しています。その重要な要素の一つであるコア・マテリアリティをより具体化するため、2025年度は、コア・マテリアリティの解決に向けた取組みがどのように社会価値と財務・企業価値に繋がるかについて社内外の関係者と議論を深め、優先して取り組むテーマを明確化しました。
Green Leadershipに関しては、下記の3つの優先テーマを策定しました。
| 優先して取り組むテーマ | 起点となる社会課題と当社グループが取り組む理由 |
|---|---|
| ⑥ 投融資を通じた環境課題解決への取組み※ |
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| ⑦ 環境保全活動を通じたネイチャーポジティブへの貢献 |
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| ⑧ 国際的ルールメイキングへの関与・貢献※ |
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気候変動・自然資本への取組み
基本的な考え方
気候変動は世界中で社会や経済に深刻な影響をもたらします。また、世界のGDPの半分以上が自然・生態系からの恩恵を受けているとされており、当社グループにとっても自然資本は事業活動の重要な基盤です。そして、気候変動による豪雨、洪水、干ばつが自然資本の劣化につながりうることなど、両者は密接に関連していると言われています。そのような認識のもと、当社グループは、グループとしての「目指す姿と環境取組方針」を遵守し、社会の一員として、地域の環境保全、気候変動対策、地球環境保護、自然資本・生物多様性の保全、および循環型社会の構築を企業の社会的責任と捉え、事業活動において常に環境への影響に配慮した行動を心がけています。
こうした考えのもと、当社グループは中期経営計画において、「Green Leadership」を重要課題の一つと位置付け、気候変動・自然資本を中心とした環境課題に戦略的に取り組んでいます。具体的には、「ネットゼロ移行計画」の策定および実行・内容のアップデート、TNFD提言や自然関連の移行計画を参照した開示など、当社グループとして優先的に取り組むべき環境課題を明確化し、取組みを進めています。
グループ環境取組方針
基本的な考え方
Daiichi Lifeグループは、社会の一員として各地域の環境保全、気候変動対応をはじめとする地球環境保護、自然資本・生物多様性の保全および循環型社会の構築を企業の社会的な責任と捉え、日常的かつ継続的に以下の行動指針に沿って環境保全に取り組むとともに、継続的に取組みを改善し、社会の持続可能な発展に貢献します。
- 1事業活動における環境配慮行動
事業活動において、環境保全に関する諸法規等を遵守し、常に環境への影響に配慮した行動を行うよう努めます。 - 2事業活動に伴う環境負荷の低減
事業活動に伴う資源・エネルギーの消費や廃棄物等の排出について、省資源、省エネルギー、脱炭素、資源のリサイクルおよび汚染の防止を推進し、環境負荷の低減に努めます。 - 3環境啓発活動の推進
役員・従業員の環境問題に対する意識の向上をはかるとともに、環境保全活動への助成・支援をはじめとした環境啓発活動に努めます。 - 4情報開示およびステークホルダー・エンゲージメントの充実
環境取組に関する目標を設定し、適切かつ積極的に開示します。
また、さまざまなステークホルダーとのエンゲージメントを重視し、ステークホルダーとともに、環境に関する諸課題の解決を目指します。
ガバナンス/リスク管理
ガバナンス/リスク管理体制

当社グループは、取締役会の監督のもと、経営会議が主導して策定した気候変動に関わる事業計画に基づき、グループサステナビリティ推進委員会やグループERM委員会などを通じて関連取組みを進めています。取組状況は経営会議・取締役会に対して定期的に報告され、取締役会の監督を受けることで気候変動や自然資本にかかる取組みをさらに強化する体制を構築しています。また、当社の役員報酬の業績評価指標にCO2排出量削減の進捗を含むサステナビリティ指標を設定しています。
「気候変動・自然資本に関するガバナンス/リスク管理」の詳細は、サステナビリティレポート(P116~121)をご参照ください。
戦略
ネットゼロ移行計画の具体化・開示やリスク・機会の認識をはじめ、事業会社、そして機関投資家として、GFANZなど金融の国際イニシアティブの取組みを踏まえつつ、環境や自然資本への影響に配慮した取組みを推進しています。
「気候変動・自然資本に関する戦略」の詳細は、サステナビリティレポート(P63~115)をご参照ください。
指標・目標
事業会社・機関投資家の両面で複数の指標を策定しています。
「気候変動・自然資本に関する指標・目標」は、サステナビリティレポート(P122~124)をご参照ください。
優先テーマ⑥ 投融資を通じた環境課題解決への取組み
環境関連ソリューション投融資の実施
環境・社会課題解決に向けた投融資
サステナブルな社会の実現に資する投融資の推進に向けて、「サステナビリティ・テーマ型投融資」を推進しています。2030年までのグローバルな資金ギャップと第一生命・第一フロンティア生命の運用資産規模を踏まえて、総額累計5兆円、うち環境・気候変動問題の解決に資する投融資累計2.5兆円という目標を設定のうえ投融資を推進しており、2025年度末実績は、同3.7兆円/1.9兆円と順調に進捗しています。また、ポジティブ・インパクトの拡大に向けて、GHG削減貢献量を2029年度までに450万t-CO2e/年まで拡大する目標を設定しており、2025年度実績において421万t-CO2e/年と順調に進捗しています。
トランジションに資する投融資の積極推進
トランジション・ファイナンスの取組方針
脱炭素社会の実現に向けて、GHG多排出産業を中心に、長期的な移行(トランジション)戦略を着実に進めることが重要です。第一生命では、脱炭素社会の実現に貢献するため、トランジション・ファイナンスに関する基本的な姿勢や考え方を取組方針[PDF:566KB]PDFファイルが新規ウィンドウで開きますとして策定しました。GFANZにおける4つのトランジション・ファイナンス戦略などを参考に、トランジション戦略を遂行する企業の資金調達を積極的に支援することを通じて、2050年のネットゼロ実現を目指します。
気候変動・自然関連エンゲージメントの実施
機関投資家としてのエンゲージメント
第一生命では、投融資先企業とのエンゲージメントを、ネットゼロの実現に向けた中核的な取組みの一つと位置付けています。第一生命における運用ポートフォリオにおけるGHG排出量は、毎年、国内GHG排出量上位50社で7~8割程度を占めています。そのため、排出量の多い投融資先企業を重点対象として選定し、気候変動を主要テーマとするエンゲージメントを継続的に実施しています。2023~2025年度の3ヵ年では、GHG排出量上位企業を中心に69社とエンゲージメントを実施しました。
これらの企業群については、原則として3年間に1回以上対話する運営とし、2050年カーボンニュートラルの達成に向けた目標設定、移行計画・ロードマップの具体性、削減施策の進捗などを確認しています。こうした継続的なエンゲージメントを通じて、投融資先企業の脱炭素化に向けた取組みの実効性向上を後押しするとともに、運用ポートフォリオ全体のGHG排出削減と中長期的な企業価値向上の両立を目指しています。
「投融資を通じた環境課題解決への取組み」の詳細は、サステナビリティレポート(P65~85)をご参照ください。
優先テーマ⑦ 環境保全活動を通じたネイチャーポジティブへの貢献
各地域に根差した環境保全活動
各地域に根差した環境保全活動
当社グループは、事業を展開している地域の実態に合わせて、各地域に根差した環境保全活動を展開しています。



「各地域に根差した環境保全活動」の詳細は、サステナビリティレポート(P87~89)をご参照ください。
保有不動産を通じた環境保全活動
保有不動産を通じた環境保全活動
日本全国に投資用不動産を所有する第一生命保険は、建物のハード・ソフトの両面からサステナビリティの推進に向けて各種取組を進めています。ハード面では、新築・改修・建替に際し、高効率機器の導入などにより環境性能の向上を図るとともに、建物の緑化にも積極的に取り組んでいます。また、日常の管理運営などのソフト面においても、グループ会社の第一ビルディングをはじめとする管理会社と連携のうえ継続的な運営改善を実施し、省エネルギー効果の向上に寄与しています。加えて、既存物件の再生や再生可能エネルギーの活用を積極的に推進するとともに、再生可能な循環資源である木材の利用を促進するなど、持続可能な社会の実現および利用者のwell-being向上にも貢献しています。
「各地域に根差した環境保全活動」の詳細は、サステナビリティレポート(P90~92)をご参照ください。
優先テーマ⑧ 国際的ルールメイキングへの関与・貢献
環境・気候変動問題などのグローバルレベルでの社会課題解決に向けて、さまざまな国際的なイニシアティブにおける取組みが行われています。当社グループはそのようなグローバルイニシアティブに対しても早くから参画し、グローバルなルールメイキングにおいて積極的に意見発信しています。
「国際的ルールメイキングへの関与・貢献」の詳細は、サステナビリティレポート(P93~96)をご参照ください。