【実践版】年齢に縛られないリタイア「ワーク・オプショナル」を叶える7つのステップ

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リタイアという概念は、ずっと以前から、根拠があるとは言えないさまざまな年齢と結びつけられてきました──60歳、65歳、70歳、あるいはもっと後、というように。

リタイアのタイミングは、本人に準備ができているかというよりも、年金制度や慣習、兄弟や同僚がいつ退職したか、といった要因が左右することが少なくありませんでした。

しかし、こうした枠組みは、もはや時代遅れになっています。

現代の経済状況や生活のなかでは、リタイアはもはや、年齢によって定義される最終目標ではなく、むしろ、個人の経済状態のあり方なのです。

「リタイア」よりもずっと優れた目標は、「ワーク・オプショナル(仕事が必須ではなく、選択肢になる状態)」になることです。

ワーク・オプショナルとは、「食べていくために働く」のではなく、「働きたいから働く」ことが可能な経済的自立を意味します。

ファイナンシャル・アドバイザーにとって、このような変化は、資産形成の計画における検討事項が、年齢を基準としたマイルストーンから、柔軟性、コントロール、持続可能性といったものへと移ることを意味します。ワーク・オプショナルを実現した人は、自分の意思決定をコントロールできるようになります。お金は、自分のライフスタイルを定めるものではなく、ライフスタイルを支えるものとなるのです。

そうしたあり方こそ、「お金」というゲームに勝利した真の姿なのです。

「リタイアを目標とする考え方」では十分ではない理由

これまでのリタイア計画は、ある年齢まで働き、その後は一切働かないというように、仕事との完全な決別を前提としたものでした。

けれども、多くの高所得のプロフェッショナルや事業主、幹部社員にとって、こうしたモデルは現実に即したものではありません。

なぜなら、こうした人々は、ビジネスへの貢献から手を引きたいとは思っていないからです。彼らが求めているのは、経済的プレッシャーに縛られることなく、柔軟性や選択肢、そして社会的意義を手にすることなのです。

重要なのは、リタイアの目標年齢を決めることではありません。それでは、ファイナンシャル・プランニングの核心である「どう生きるか」という視点が抜け落ちてしまうからです。

個人の人生全体を考慮せず、年齢だけに固執することに意味はありません。考えるべきことは、いつリタイアするかではなく、「お金が」という制約に縛られないような生活を、どれくらい早く設計できるかになります。

それこそが、ワーク・オプショナルなプランニングが目指す目標になります。

ワーク・オプショナルな生活を実現するための7つのステップ

ワーク・オプショナルなライフスタイルは、行き当たりばったりなやり方で実現できるものではありません。その達成には、構造化されたプロセスが必要になります。計画の基礎をなすのは、以下の7つのステップです。

1. ビジョンを明確かつ具体的に定義する

どんな計画も、明確化することから始まります。

・今後の人生はどんなものになるのか?
・どこに住むのか?
・どんなふうに時間を過ごすのか?
・どれくらい頻繁に旅行するのか?
・どんな活動に、意義や充実感を見出すのか?

こうした検討は、ぼんやりした空想であってはならず、正確性が求められます。曖昧さは、計画の失敗に直結するからです。
明確に定義されたビジョンがないかぎり、ファイナンシャル・プランニングは、計画的というよりも、事後対応的なものになってしまいます。一方、明確な定義があれば、どんな意思決定でも容易に評価することができるようになります。

2. ビジョンにかかる費用を計算する

このステップは、全体のなかで最もコントロールしやすい変数であると同時に、最も軽視されがちな部分でもあります。
あなたのライフスタイルには、年間でいくらのコストがかかるのでしょうか? 大雑把な数字ではなく、住居費、旅費、医療費、保険料、寄付、税金、そして自由裁量で使う娯楽費など、細部まで綿密に計算してください。
ほとんどの人は、このステップを軽視したり、総額の概算で済ませたりしてしまいがちです。しかし、この部分で正確を期すことが、その後のすべてを決めることになります。
自由を得るために計画することは、その「値段」を知らなければ不可能なのです。

3. 収入源を特定する

ワーク・オプショナルは、収入がゼロになることを意味するものではなく、多様で安定した収入があって、初めて成り立つものです。
具体的には、以下のような例が考えられます。

・キャッシュフローを生み出す不動産
・自身が日常的に関与することなく継続できる事業
・年金もしくは繰延報酬制度(給与やボーナスの一部を、将来受け取るよう繰り延べる合意)

収入源それぞれの継続性、予測可能性、インフレ感応度を理解しておくことが重要になります。どの収入源にもそれぞれの特性があり、すべてが同様ではないのです。

4. 「数字」を確定させる

ここでいよいよ、ギャップ分析を行います。ギャップ分析とは、理想と現状の差異を把握して、理想を達成するためには何が必要かを分析・課題抽出することです。
手持ちの資産のなかで、キャッシュフローを生み出すものはどれでしょうか? 給与収入なしに自分のライフスタイルの費用をすべてまかなうためには、あといくらあれば足りるのでしょうか?
ここでの「数字」は、純資産の目標値ではありません。自分の生活を安定して維持するために必要な資産のことです。インフレや年齢、不確実性を考慮することも忘れてはいけません。
このステップによって、抽象的なビジョンが、「数学」の問題になります。そして数値的な計算は、客観的な裏付けをもたらします。

5. 重要なリスクを理解する

働くのをやめた後――すなわち、給与収入への依存を下げた時、考慮すべき主要なリスクが二つあります。ボラティリティ(金融資産の価格変動率の大きさ)リスクと、インフレリスクです。
ボラティリティは気分の良いものではないですが、本質的には、概ね短期的なものです。
一方、インフレは永続的なものになります。
長期的な経済的自立を脅かす最大の要因は、市場の変動ではなく、静かに進行する購買力の低下です。成長よりも安定性に重きを置きすぎた戦略は、長期的に見ると崩壊のリスクを抱えています。
目標は、リスクをゼロにすることではなく、適切なリスクを取ることになります。

6. ビジョンと整合性のあるポートフォリオを構築する

リスク耐性と長期的な見通しが把握できたら、長期的目標と整合性のあるポートフォリオを構築できるようになります。
目標は、リターンを追求することではなく、配分に関して守りに入ることでもありません。数十年にわたって生活を支えられるポートフォリオを設計することが大切です。
成長資産も、資産収入も、多様化も重要です。しかし、何よりも重要なのは、アラインメント。つまり、すべての要素の整合性になります。
ポートフォリオは、計画を支えるものであるべきです。計画の方がポートフォリオを支えるようであってはなりません。

7. タックス(税)マネジメントに熟達する

投資のリターンは、方程式の半分にすぎません。本題は、手元にどれだけ残すかです。
タックスマネジメントは、単なる補足的な作業ではなく、資産を守り成長させるための中核的要素の一つです。アセット・ロケーション(税負担を最小限に抑えながら投資効率を最大化する戦略/異なる資産をどの口座で保有するか決定していくこと)、計画的な引き出し、キャピタルゲインのプランニング、先を見越した税務戦略は、ポートフォリオの持続性を大幅に高めることにつながります。
不要な納税は、経済的自立をいとも簡単に遅らせる、あるいは頓挫させる要因の一つです。

本当の目標は「コントロール」

ワーク・オプショナルを計画することは、成功を再定義することにほかなりません。

目標は、早期にリタイアすることでも、二度と働かないことでもありません。自分の時間、自分の選択、自分の未来をコントロールすることです。

仕事が、自分で選べる「オプション」になれば、すべてが変わります。交渉の自由度が増し、ストレスから解放され、新たなチャンスが開けるのです。

すなわち、お金がプレッシャーの源ではなく、ツールになるということです。

こうした状態こそが究極的な勝利です。そしてそれは、65歳の誕生日とは何の関係もないものなのです。

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この記事は、Cfp®およびKiplingerのPhilip G. Palumboが執筆し、Industry Diveの DiveMarketplaceを通じてライセンスされたものです。ライセンスに関するお問い合わせはlegal@industrydive.comまでお願いいたします。