老後の健康をあきらめない!「8割は自分の行動で変えられる」という希望のメッセージ

株式会社第一ライフグループ
story_LC_At least 80 responsibility for ill health in old age down to individual study says_main

高齢期における健康状態の悪化は、少なくとも80%が個人の選択の結果だ、とするレポートが公開されました。身体的な衰えは避けられない、あるいは主に国家の責任だ、とする通説に疑問を投げかける内容です。

個人が自身の寿命をコントロールできる部分は、一般に考えられているよりはるかに大きいと主張するこのレポートは、英国のオックスフォードで2026年5月9日に開催された会合「スマート・エイジング・サミット(Smart Ageing Summit)」で発表されたものです。執筆者たちはアルコールに関して、喫煙に匹敵する法的規制を課すことを政府に求めています。

このレポート『Living Longer, Better(より長く、より良く生きる)』は、非営利団体「オックスフォード長寿プロジェクト(Oxford Longevity Project)」による初の「エイジレス(Age-less)」レポートです(Age-lessとは、以下の頭字語:Attitude/Grub/Exercising/Love/the Environment/Sleep/Supplements)。在英の医学、生理学、老年学、教育行政の専門家からなる学際的なパネルによって共同執筆されました。このレポートの作成にあたっては、サプリメントの企業オックスフォード・ヘルススパン(Oxford Healthspan)の支援を受けています。

レポートを執筆したサー・クリストファー・ボール(Sir Christopher Ball)、サー・ミュア・グレイ(Sir Muir Gray)、ポール・チェン(Paul Ch’en)博士、レスリー・ケニー(Leslie Kenny)氏、デニス・ノーブル(Denis Noble)教授は、80%という数字を、控えめな推定値として提示しています。

元英陸軍で落下傘連隊の将校を務めた言語学者で、大学の学長などを務め、67歳からフルマラソンを始め、100歳まで生きることを目指すボール氏(現在91歳)は、「この数字はもっと高く、90%に近いという意見もありますが、個人的には80%が妥当だと思います」と述べています。

一方で、この主張は短絡的であり、貧困や汚染、医療へのアクセスといった問題に関して、人々が本当に自身の選択をコントロールできる状態にあるのか、というより広い議論を考慮していないとの意見もあります。

ハーバード大学公衆衛生大学院の社会疫学教授ナンシー・クリーガー(Nancy Krieger)氏は、次のように述べています。「このレポートは、遺伝子決定論を否定した点で評価できますが、健康や健康格差に関する社会的な決定要因、すなわち、労働の影響や経済的困窮、そして企業が不健康な製品を自由に販売できるようにしている政府の政策などへの言及を避けている点は問題です」

バージニア・コモンウェルス大学の家庭医療学・集団健康学教授で、同大学社会・健康センターの名誉所長であるスティーブン・ウルフ(Steven Woolf)氏も同様の見解を示しています。同氏はこのレポートについて、「集団の健康状態を悪化させる条件を実際に生み出している多層的な根本原因を無視し、過度に単純化しています」と述べています。

ウルフ氏は、さらに次のように付け加えました。「健康に影響を及ぼす要因のなかには、個人の選択ではどうにもできないものも存在します。自らの選択が健康にどう影響するかについて、人々に明確な指針を示すのは良いことですが、同時にそれは、政策立案者やその他の責任ある人々を免責することにもつながります」

エディンバラ大学で国際公衆衛生学の研究を主導するデヴィ・スリダール(Devi Sridhar)教授は、80%という数値には「概ね同意します」としつつも、社会経済的な地位と健康状態の間に強い関連性がみられる事実は、公共政策と個人の健康悪化に相関関係が存在する証拠だと指摘します。「それ以外に、ほかにどう解釈できると言うのでしょう」とスリダール氏は問いかけました。「高価な家に住む人ほど、自制心が強いとでも言うのでしょうか」

しかし、レポートを執筆したボール氏は、こうした主張に反論します。「個人の寄与が大きいというのは良いニュースです。それはつまり、責任は自分にあるということだからです。責任が自分にあるということは、自分で対策を講じられるということです」

「このレポートは、世界に希望をもたらしていると私は思います」とボール氏は言います。「お金がたくさんあってもなくても、快適な家に住んでいても、ひどく不快で粗末な家に住んでいても、健康で長生きするための選択をすることは可能なのです」

「我々は、常に責任の所在を外に探し求める文化のなかに生きています。『すべては遺伝子のせいだ』『すべては親のせいだ』と。しかし、そうではありません。もし責任をどこかに見出すとするなら、すべてはあなた自身の責任なのです」

とはいえ、イリノイ大学シカゴ校の疫学名誉教授であるジェイ・オルシャンスキー(Jay Olshansky)氏も、この80%という数字には疑問を呈しています。

「こうした寄与率の数値を、有用で理解可能なものにするためには、意味のある情報に翻訳する必要があります」と同氏は述べます。「もしこれを、出生時の平均余命が87歳以上に達することと解釈するなら、現実的とは言えません」

これに対し、ボール氏は、双生児を対象とした研究などの知見を指摘します。この種の研究では、人間の寿命の少なくとも75%は、環境要因や、修正可能な生活要因によって決定される、と結論づけています。

またボール氏は、英国で実施されている長期の大規模研究「UKバイオバンク」の参加者約50万人のデータを、オックスフォード大学の研究教育部門「オックスフォード・ポピュレーション・ヘルス[白土7.1](Oxford Population Health)」が主導して分析した結果を引用しました。この分析では、早期死亡や生物学的老化において、遺伝的要因よりも、環境への曝露や生活習慣の方が、はるかに大きな影響力を持つことが明らかになっています。

今回のレポートでは、加工食品を避けること、アルコールを完全に断つこと、睡眠を優先すること、午後6時30分以降は食べないこと、そして「肉食を避ける姿勢(a not-meat mindset)」を育むことが推奨されています。

アルコールに関しては、現在の政府指針よりも率直な立場を取っています。「アルコールは毒です。飲んではいけません」とボール氏は言います。「レポートは勇敢にもそう述べています。一方で政府は、国民に真実を伝えることを恐れているのです」

この記事は、The GuardianのAmelia Hillが執筆し、Industry DiveのDiveMarketplaceを通じてライセンスされたものです。ライセンスに関するお問い合わせはlegal@industrydive.comまでお願いいたします。